令和3年度の税制改正により、
「令和4年1月1日から、『電子取引』の電子データを紙(書面)に出力して保存していても、
保存として認められなくなり、保存要件を満たす電子データでの保存がされていない場合は、
たとえ紙(書面)での保存があったとしても取引情報の保存がなかったものとなり、
青色申告の取消しの対象となります。」
と以前に(2021.10.13教えて!法人先生)お知らせしたところです。
しかしながら、大企業であっても施行(令和4年1月1日)までの間に、
対応が間に合わない事業者が多数いること、
中小企業には制度の認知が十分に進んでいないことから、
令和3年12月27日公布の改正省令により、2年間の宥恕措置がされました。
1 改正省令の概要
電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存について、
紙(書面)等による保存が可能とされる次のような経過措置が講じられました。
財務省の改正省令要旨(令和4年1月1日から施行)
経過措置適用期間 |
令和4年1月1日~令和5年12月31日までの間 |
適用要件
右記①及び②を満たす場合 |
① 税務署長が取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存できなかったことについてやむを得ない事情があると認めた場合
② 電磁的記録の出力書面の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合 |
保存方法 |
電磁的記録又は書面等 |
必要な手続 |
税務署長への手続きは不要 |
(参考)改正省令に合わせて、国税庁は令和3年12月28日に
「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」の問41-2から41-5を追加しています。
2 宥恕期間中の対応
〇 電子取引の取引情報(納品書、請求書、領収書等)の電子データを、従前と同様に、
書面に出力して保存しておく。
〇 税務調査があった場合は、税務職員に対して「社内のワークフロー整備が間に合わなかった。」や
「今後、保存に係るシステムを整備する意向は有している(現時点で未整備)。」など、
その事情を口頭で回答する。
〇 令和6年1月1日以後の電子取引の取引情報は保存要件に従って
電子データの保存ができるよう必要な準備を進める。
広島総合税理士法人