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教えて!法人先生『速報!《令和4年度税制改正大綱》法人税編』
令和4年度の税制改正の大綱が令和3年12月24日に閣議決定されました。
今回の税制大綱のテーマの中には
「成長と分配の好循環の実現に向けて、多様なステークホルダーに配慮した経営」
「積極的な賃上げを促す観点から賃上げに係る税制措置を抜本的に強化」
「スタートアップと既存企業の協働によるオープンイノベーションを更に促進」
がありました。
今回はそのテーマに関連する税制改正のうち
4つについて触れていきたいと思います。
1.賃上税制
①人材確保等促進税制
②所得拡大促進税制
2.オープンイノベーション促進税制
3.5G投資促進税制
4.地方拠点強化税制
①特定建物等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度
②雇用者の数が増加した場合の税額控除制度
③地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に係る認定要件
1.賃上税制
①人材確保等促進税制
令和4年4月1日から令和6年3月 31 日までの間に開始する
青色申告提出法人が対象です。
現行は新規雇用者に対する給与が増加する必要がありましたが、
今回の大綱では継続雇用者に対する給与が増加する必要がある形となりました。
その他、税額控除率の上乗せ要件に継続雇用者給与の前年より4%増加が追加され、
最大30%まで控除できるようになりました。
②所得拡大促進税制
適用期限が1年延長され令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する
中小企業者等が対象です。
その他、税額控除率の上乗せ要件が変更されました。
現行では雇用者給与等支給額と教育訓練費の要件を2つ満たす必要がありましたが
改正法案では、雇用者給与等支給額と教育訓練費について個別に判定し、
それぞれ上乗せできる形となりました。
これにより最大40%まで控除できるようになりました。
2.オープンイノベーション促進税制
適用期限が2年延長され
令和4年3月31日→令和6年3月31日までとなりました。
今回の改正法案では適用要件の見直しがされ、
【売上高に占める研究開発費の額の割合が10%以上の赤字会社にあっては、
設立の日以後の期間を 15 年未満とする。】
とあり、現行より5年伸びる形となりました。
その他、特定株式の保有見込期間要件及び特定事業活動に係る証明の要件について、
2年短縮され5年→3年に変更されました。
3.5G投資促進税制
適用期限が3年延長され
令和4年3月31日→令和7年3月31日までとなりました。
今回の改正法案では適用要件、対象設備、及び税額控除率の見直しが行われ、
対象設備について補助金等の交付を受けたものは除外するようになりました。
また、税額控除率は現行の15%から、3年かけて逓減する形となります。
4.地方拠点強化税制
①地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度
適用期限が2年延長され
令和4年3月31日→令和6年3月31日までとなりました。
今回の改正法案では対象となる特定建物等及び取得価額要件の見直しがされ、
特定建物等について【認定を受けた日から同日の翌日以後3年を経過する日…】
とされ、現行より1年長くなりました。
また、取得価額要件が2,000万円だったものが、2,500万円に増加しました。
②地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の税額控除制度
適用期限が2年延長され
令和4年3月31日→令和6年3月31日までとなりました。
今回の改正法案では地方事業所基準雇用者数及び対象雇用者の範囲から
有期雇用又はパートタイムである新規雇用者(転勤者)が除外されました。
③地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に係る認定要件の見直し
今回の改正法案では上記1,2の変更を前提に認定要件、特定施設の範囲及び
提出期限の見直しがされ、
雇用促進計画の提出期限が現行の2月以内から3月以内とされ、1ヶ月ほど伸びました。
※今回の税制大綱の内容が法律として確定するのは3月末です。
掲示した内容は変更される場合があります。
以上が今回の税制大綱で変更された部分です。
次回は税制大綱の「住宅ローン控除の見直し」について触れていきたいと思います。
また7月頃には弊社にて税制改正セミナーを開催する予定です。
詳細は後日HPにて告知させていただきます。
よろしければご参加ください。
広島総合税理士法人
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