親が亡くなり、親が持っていた自身の生家でもあります自宅と土地が残されていましたが、
今や自分は別の場所に住み、戻る気も無ない、といったケースがあるとします。
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こんな時、空家のままだと傷みも進むし、不在のままによる治安の不安、
税負担も重たい、正直譲渡したいけど・・・など思うかもしれません。
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いま現在のこと、もしくは、将来のこととして気になっていらっしゃる方へも、
税制についてチェックしておくべきことを説明します。
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(1)被相続人の居住用財産(空き家)譲渡の特例
こちらは以前に当所のコラムでも紹介したことがあります。
ひととおりの要件はお手数ですが以下参照して頂ければと思います。
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今回は、この制度が施行され5年程が経ち、
特例のため間違えやすい注意点が分かってきましたので紹介しておきます
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①売主が取り壊すこと
取り壊し譲渡するケースで特例を受けることも多いと思われます。
特例のためには、売り主が取り壊してからの譲渡、となっていなければなりません。
・登記の順序
建物の滅失登記→土地の移転登記 〇適用可能
土地の移転登記→建物の滅失登記 ✕適用不可
売買代金から解体費用が値引かれているような場合には、
買主負担で解体することも多いです。
先に土地の移転が済んでいますと、「取り壊し後の譲渡」として扱われません。
また、譲渡の契約書に「土地の引き渡し後に建物を取り壊す」
などの記載があるようなときも該当しなくなります。
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②特例の申告年と取り壊し年は同一にすること
譲渡の時期については「引渡し日」か、
もしくは「売買契約などの効力発生の日」に譲渡があったものとして
申告することもできます。
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➣国税庁 タックスアンサー No.3102 譲渡所得の申告期限
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もしも「売買契約などの効力発生の日」の譲渡として申告し、
かつ、その翌年に取り壊し&引渡ししていると、
申告年に取り壊していないことから特例を受けれないことになります。
特例の為には、引渡し年に申告する必要があります。
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③小規模宅地特例の要件に注意すること
相続税の申告期限が過ぎるまでは譲渡をしないで下さい。
相続税の小規模宅地等の特例と、
「被相続人の居住用財産(空き家)譲渡の特例」とを併用する場合には、
そちらの特例が相続人が申告期限まで保有していることが要件のため、
相続税の申告期限までに譲渡してしまうと
小規模宅地等特例が適用できなくなります。
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以上の点ご注意くださいませ。
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広島総合税理士法人